東海・北陸


「鳥越」(960578)

生まれ育った村の名は平成の大合併で消えてしまいましたが、基準点名に残っており、帰省するたび訪ねています。コラム:小学校の校庭にで詳しく紹介しています。

2018年2月



「白峰」(950256)

「鳥越」の隣点は岐阜県と接する県境の旧白峰村の、白山登山に向かうルート途中にあります。国交省の事務所と砂防科学館、保養施設のあるエリアに設置されていますが、保養施設はコロナ前から休業に。砂防科学館も訪問には予約が必要のようです。

2022年6月



「小松」(950255)

設置場所は北陸自動車道・安宅スマートICそばの小松ふれあい健康広場駐車場。「安宅の関」は、白紙の勧進帳を読み上げたうえ、家来に扮した義経を打ち据えることでかばった、弁慶の忠義心を描いた歌舞伎演目の舞台となった場所です。近くの小松空港入口には関守の富樫泰家の像もあります。

広場の海側の「恋人の聖地」(Satellite of Lover's Sanctuary)と銘板が付されたモニュメントは、とくに故事と関わりはなく、衛星から何かを受信している様子もなさそうでした。

なお、全国の電子基準点の変位を毎秒解析し、地震震源の断層推定までリアルタイムで行う「REGARDシステム」の、全国3つの固定点のうちのひとつがここでした。

また、国土地理院の電子基準点課長のプレゼン資料に、まさにこの附属標のアップ写真が出てきたりも。

見た目の地味さとはうらはらに、意外に重要な電子基準点かもしれません。

2022年4月



「松任」(020973)

八角二重管で柵囲いがあるタイプです。誰も立ち入らないせいか足元の附属標が雑草に覆われはじめていました。白山を真正面に見る白山市立北星中学校に設置され、脇には防災無線タワーも建っています。

基準点名は旧市名ですが、ポップス界の巨人・松任谷ご夫妻のおかげで難読ではないと思います。正確にいうと地名のほうは「つ」ではなく促音の「っ」なので、人名を促音で呼ぶ人はたぶん石川県にゆかりのある方だと思います。

2022年4月



「丸岡」(950257)

点番号は第1世代ですが、外観は八角二重管タイプ。2018年に更新されたようです。北陸自動車道丸岡ICに接する坂井市の丸岡運動公園駐車場に設置されており、高速ちょい降りで立ち寄ることができました。グラウンド照明塔などと並び公園設備の一部のような顔で場に溶け込んでいますが、柵囲いもないので車両衝突が少し心配(たぶん杞憂)。
丸岡といえば「日本一短い手紙 一筆啓上賞」で有名ですが、県境の先の石川県加賀市には「雪は天からの手紙」で知られる中谷宇吉郎雪の科学館があります。手紙つながり?

2022年6月



「浜松伊左地」(970821)

 浜松の地名がつく点は全部で3つあり、浜松城を中心にすると時計の2時、6時、10時の方角に、似たような距離で配置されています。そのうち、10時の方角にあるのが「浜松伊左地」

東名の浜松西ICや航空自衛隊の基地も近い、伊佐地緑地の駐車場にあります。訪ねたのは春先でしたが、バーベキューの花見客もいて、ふだんより少しにぎやかだったかもしれません。

2018年3月



「浜松A」(071160)

 市中心部から南側、国道1号線に近い公園にあります。タコの遊具や年季の入ったベンチを見おろす、比較的新しい八角柱タイプ。

名称にAがつくのは、何らかの事情で1度移転した基準点で、もしもう一度移転すると名前は「浜松B」に変わります。

2018年2月



「S浜松」(04S048)

市中心から2時の方角、与進小学校の敷地内にあります。「S」は旧・科学技術庁の略称であるSTAにちなむもので「地殻変動観測」を主目的として設置された点という意味です。イニシャルコストは科技庁だったかもしれませんが、運用のコストは、電力メーターと通信機器のボックスに表示のあった「国土地理院」だと思います。

2018年2月



「静岡大学情報学部・木谷研」(私設局)

静岡大学浜松キャンパスで、電子基準点と同等スペックの機器を使ったGNSS連続観測局が設置され、観測データを無償公開しています。オープニングイベントを取材したので番外としてご紹介します。

余談ですが取材当日は宇都宮からの来客もあったので「ギョーザ対決ですね!」なんて軽口を叩いていたら、ほんとに浜松餃子でもてなしていただき恐縮! 以来餃子はなるべく丸く並べるようにしています。

2016年2月



「H新居」(13H101)

浜名湖西側の史跡・新井宿跡のそばにある、高低差を精密計測するタイプの電子基準点です。コラム:浮き沈みを知る「H」で詳しく説明しています。

2017年12月



「湖西」(93104)

銘板に「建設省」と記載のある5桁番号の第一世代。広大な運動公園敷地の駐車場の一角に設置されている割には、樹木が接近しており、葉が茂る夏場の受信状態が心配です。

2018年2月



「三ヶ日」(93103)

浜名湖を見下ろす高台の小学校敷地内に、百葉箱とともに設置されていました。背後の日当たりのよい南斜面は、みかん山でした。

2017年11月



「鳳来」(93099)

うかつにも新東名走行中に燃料残量警告灯を点灯させてしまい、やむなく新城ICで降りて給油ついでに訪ねました。

JR飯田線/別所街道の、長篠城跡の近くです。保育園の敷地内には入れず、隣接する葬祭場の駐車場から撮影しました。

2017年11月



「H豊橋」(13H103)

国道1号と東海道新幹線に挟まれた、住宅街の中の公園の一角に設置されている。低背のずんぐりした形状は「高精度比高観測点」という東海地方にだけ見られるバリアント(変種)で、「H豊橋」はそのうち最も西側の点です。

2020年6月



「豊橋2」(020997)

田園地帯にある小中隣接の「前芝学校」、中学校側の校庭脇に設置されています。地理院地図で見ると標高は1.7m。西に1kmほどで三河湾です。よく見ると同じ八角柱でもレドームの取り付け部分の処理が「浜松A」「S浜松」とも違っています。

2020年6月



「愛知豊田」(950300)

紅葉の名所「香嵐渓」に向かう街道沿いの、豊田市立中金(なかがね)小学校校庭にありました。

なんだか懐かしく感じたのは、私も裏山のある小中学校に通ったからでした。涼を求めて訪ねた香嵐渓でしたが、7月のこの日の豊田市の最高気温は33度超え。屋外に長くはいられないほどの猛暑でした。

2021年7月



「日進」(940063)

1000席規模のホールを備えた日進市民会館前庭のバス停に隣接しており、足元には他で見ないくらい詳細な内容が刻まれた銘板が設置されています。周囲の樹木は手入れされ、オブジェも居並び、電子基準点そのものがポケモンGOのポケストップにも認定されています。多くの電子基準点は寂げにポツネンとしていますが、明らかにここは違っていました。 

2017年11月



「名古屋」(960630)

眺望のよい住宅街の高台にある名古屋地方気象台の駐車場敷地のはずれに、上空の風を調べる「ウインドプロファイラ」に隣接して置かれています。すぐ脇には民家や気象レーダーも。

2019年5月



「甚目寺」(950299)

名古屋市の西にある、あま市(旧海部郡甚目寺町)の中学敷地内にありました。民家と接している側なので近くまでは入れませんでした。地名の由来、甚目寺(じもくじ)観音は「法隆寺や四天王寺に次ぐ我国有数の古刹」だそうです。

2022年2月



「瀬戸」(960629)

銘板の文章には「国土交通省」「GNSS」の用語が使われているので、これだけは後から設置されたものでしょう。設置場所は小学校の校庭。ちょうど藤の花の季節でした。

2020年4月



「多治見」(950292)

猛暑の時期にはよく聞く地名ですが、気象観測機器の併設はありませんでした。高台にある公園のトイレ脇に設置。

2020年7月



「知多」(960631)

名古屋都市高速大高線~知多半島道路と工業地帯を貫いて南下、常滑街道沿いの知多市新知小学校の農園の隅にありました。すぐ脇の道路に向け、日本地図に青ドットで電子基準点を示した銘板が据えられています。ちょうど梅や菜の花がほころび始めた時期。土盛の上にプールがあり、斜面途中の少し高い位置から撮ることもできました。

2021年3月



「知立」(950302)

西三河・知立市の八ツ田小学校の遊具スペースに、八角二重管タイプ。休日の校庭開放で近所の方にまぎれて入り、遊具のおかげで地上高5mのレドームを真横から見ることができました。
知立市を囲む3市のうち、電子基準点があるのは豊田市のみ(2点)で、刈谷市と安城市にはありません。局番号は第1世代ですが、ピラーだけでなく銘板も、初号機2010年9月打上げの準天頂衛星に言及したものにアップデートされており、記録には「平成29(2017)年8月8日更新」とありました。夏休み中の工事だったんですね。

2022年4月



「愛知大口」(950298)

富山市と名古屋市を結ぶ国道41号線が貫く、丹羽郡大口町の稲荷神社に隣接する小さな公園に設置されています。
日本三大稲荷のひとつ、岐阜県海津市「千代保稲荷神社」のオリジンがここ「おちょぼ稲荷故里の宮」らしいです。石碑には常田富士男さんの声で聞こえてくるようなエピソードが記されていました。

またこの神社は初詣の参拝者に竹串に刺したイワシを振る舞うのがならわしだそうですが、「セルフで焼いて食べられます」と紹介する写真に電子基準点のレドームが写り込んでいました。
こういう偶然の写り込みも探してみたいですね。

2022年8月



「豊山豊場無線局」(ドコモ東海) ?

 

携帯キャリア3社は高精度位置情報サービスを提供しています。自前の基地局情報は公開されていないよう(契約すればRTCMから基地局座標が分かります)ですが、ドコモのサービスエリアマップから基地局となっている設備を推定してみました。
「ドコモ基準局」「10km」で表示される名古屋市北側のカバーエリアの円の中心にあったのがこの施設。名古屋飛行場の西側の41号線を渡ったところの川べりにありました。「中ゾーン基地局」というやつでしょうか。

他の円の中心にも似たような設備をいくつか見ることができたので、たぶん間違いないと思います。

ただ、いかんせんタワーが高すぎて見上げるだけではGNSSアンテナらしきものを見つけることはできませんでしたので、あくまで推定です。


名古屋空港ターミナルがワクチン接種会場となっており、ついでに立ち寄ってみました。ちなみに接種者向けにMHIの工場敷地が開放されており、建屋の壁には「 SPACEJET  FINAL ASSEMBLY HUNGER」の文字がありました。

2022年8月



「愛知一宮2」(970822)

  木曽川を境に岐阜県と接する愛知県一宮市の、ちょうど重心のあたりに位置する市立神山小学校の、グラウンドのバックネット裏駐車場脇に設置されています。比較的最近の2017年に更新された、太陽電池パネルによる補助電源付きの八角二重管タイプです。
 基準点名に「2」がついていますが近隣に「1」や「同名の数字なし」はなく、静岡県境の豊川市に、同市に併合された旧町名の残る「愛知一宮町」(93102)が先に存在していました。

 あとからできたのを「愛知一宮」とするのはあまりに紛らわしいので、区別のためこうしたのでしょう。電子基準点カルトクイズの題材になるかも。尾張が「愛知一宮2」、三河が「愛知一宮町」と覚えてください(笑)。

2022年10月