九州・沖縄


「姶良」(970837)

鹿児島市内から空港へ向かう際、まわり道をして立ち寄りました。

ここと、北海道の「新十津川A」(022005)、小笠原の「父島A」(052007)の3点は、軌道追跡局という別名を持つレア基準点です。大陸間の距離や地球の自転速度などを精密に計測するVLBIアンテナが置かれていました。

姶良VLBI観測局の完成は1997年、2015年まで観測が行われ、Φ10mパラボラアンテナも2017年夏までは残っていたそうです。訪ねた2018年にはすでに空き地となっていました。

受信アンテナのレドーム形状が通常タイプと異なっているのは、IGS点「AIRA00JPN」としても運用されており、そちらの仕様に合わせているようです。隣地のスターランドAIRAでは、オリジナルのプラネタリウム番組も見られます。

 

2018年9月



「鹿児島1A」(161218)

地名の後に数字とアルファベットが重なる、ちょいレアな基準点です。数字は単なる識別用で、「鹿児島2」「鹿児島3」は桜島にありますが、ここは市の南側の住宅街の中の公園です。また、アルファベットは移設点を意味し、引っ越し1回でA、2回でBがつきます。ちなみに移設前の「鹿児島1」は、ここから西に4kmほどの、廃業したゴルフ場の敷地内にあり、GoogleMapでまだ確認することができました。コラム:いろいろあっての「A」で詳しく紹介しています。

2018年9月



「桜島」(960719)

火山を取り囲む3点の距離の伸びは山体膨張を意味します。電子基準点のデータを解析し、距離の変化を常にモニターする体制が整えられています。
火口から見て北側、時計の文字盤で12時の位置にあるのが、電子基準点「桜島」です。錦江湾を北に見る、道路沿いの「松浦町運動広場」と説明にはありましたが、草ぼうぼうで運動公園として使われている様子はなさそうでした。
コラム:鹿児島、鹿児島、桜島で詳しく紹介しています。

2018年9月



「鹿児島2」(960720)

時計の3時の位置にあり、昭和に入ってからの噴火に伴う溶岩流で被害の出た黒神地区の、小学校に隣接する場所に、防災無線の放送塔といっしょに置かれています。

ステンレスのピラーは3点とも、火山性ガスか潮風か、あるいはその両方の影響なのか、他所に比べ茶色いサビが目立ちます。

すぐそばの道路脇には、火山弾を避ける退避壕や、土石流などを想定した砂防施設など、臨戦態勢のインフラ設備を見ることもできました。

2018年9月



「鹿児島3」(960721)

7時の位置、鹿児島市東桜島支所の敷地内に。火山監視のミッションを担うため、バックアップ電源として太陽電池パネル)を備えています。シッポみたいに生えているのはモバイルネットワーク用の通信アンテナ。太陽電池パネルをまとったせいで、下向きのこういう位置になったようです。

なお鹿児島港と結ぶ桜島のフェリー乗降場は9時の位置。天候には恵まれなかったものの島1周を約1時間、長針のスピードで巡ることができました。

2019年9月



「西之表」(950492)

種子島北部・西之表市の水源である「西京ダム」の浄水場内に配置されています。浄水場なので敷地にはもちろん入れず、生い茂る植物に阻まれ、全容を見ることもできませんでしたが、気象観測データを取得する雨量計併設タイプのようでした。近所にはロックフィル型の堤体やダム湖を一望できる謎の公園「あっぽ~らんど」もあります。

ちなみに種子島訪問はH2Bロケット打ち上げ見学が目的でした。延期の末時間切れで帰京も、打ち上げは無事成功でした。

2018年9月



「中種子」(950492)

中種子町中央運動公園の入り口に。まるで施設のモニュメントであるかのように存在を主張していました。それにしても、島の夜道は暗いです。

2018年9月



「南種子」(960726)

南北57kmあまりと細長い種子島では、1市2町にそれぞれ1つの電子基準点が配置されています。JAXAのTNSC(宇宙センター)がある南種子町では、打ち上げ見学場のひとつ「宇宙ヶ丘公園」の道路脇に設置場所です。見学者の視界には入っていると思いますが、気象レーダーやロケット追尾のレーダーなどと同様、打ち上げ運用に関わる設備のひとつと思われていそうです。

 

2018年9月