関東


「つくば1」(92110)

 全国展開スタート前に設置されたレジェンド点であり、他すべての電子基準点の基準となるプラチナ点でもあります。当初は鋼管柱にトンガリ帽子(円錐形レドーム)の形状でしたが、改修されてこの形に。局番号の桁数も今より少なく、030/040時代の携帯電話のようです。

 国土地理院敷地の奥まった場所にあるため、職員の方の案内で訪ねました。筑波山をバックに撮影するのはお約束です。手前の敷地には、キノコのようにニョキニョキと生えているアンテナ群。おそらくアンテナ特性を確認中なのでしょう。またレドームをかぶっていない八角柱も。これがまぼろしの「つくば2」だったのかは分かりませんが、IGS点「TSK200JPN」として運用されているようです。

2018年2月



「つくば3」(960627)

 一般・職員用駐車場脇にあり、誰でも間近で見ることができます。VLBI用の大型パラボラアンテナはすでに撤去されていますが、敷地内には測量用の航空機や20万分の1の巨大地球儀など見どころがたくさんあり、せっかく気象観測装置が併設されたレアものなのに、電子基準点そのものはむしろ目立たないくらいです。 夕日がシルエットの四角い建物「地図と測量の科学館」もオススメです。

2018年2月



「石岡」(132009)

最新型VLBIアンテナと同じ敷地に設置(コ・ロケーション)されており定期的に相互の位置関係の精密な計測も行われています。地球上における日本の位置が分かる場所、いわば座標値の国際空港に相当する重要施設。これがないと、日本列島はプカプカ浮かんでいるひょっこりひょうたん島と同じになってしまいます(誇張あり)。

  • 石岡測地観測局は、茨城県畜産センター敷地奥にあり、入場時にクルマに消毒液をかけられる場合があります。
  • 2本ある右側が電子基準点/IGS点「ISHI00JPN」として稼働中で、左はバックアップです。
  • 茨城県内ですが旧水戸藩ではないので、VLBIアンテナは光圀公ではなく、2本のピラーも助さん格さんではありません。

2017年3月



「守谷」(93012)

 つくばから都内に戻る途中に立ち寄った、5桁番号の第一世代の電子基準点です。銘板の記述には「建設省」「予知」など現在は使われていない言葉が出てきています。

2020年3月



「足立」(93016)

 公園の風景に溶け込みすぎてしまっている、同じく5桁番号の電子基準点です。レドームを囲む枠はいたずらガードかと思いましたが、機器ボックスから同軸ケーブルが伸びていた痕跡があります。一時的に後付けされていた何か、例えば携帯電話ネットワークへの接続/干渉試験用のアンテナ用フレームなどでは?

2020年3月



「世田谷」(950228)

 最寄駅は京王線の桜上水。陸上トラック脇の赤い遠征バスの左上に、白いレドームがポチッと見えてます。道路をはさんでマンションが建つなど、受信環境、良くはなさそうに思えます。

2018年2月



「神奈川川崎」(93026)

 最寄り駅は南武線平間駅ですが、武蔵小杉駅から徒歩で訪ねました。川崎市立玉川小学校の校庭の、鉄棒とプールのすき間に設置されています。訪点後は多摩川にかかる「ガス橋」を渡り、ゴジラのいない平穏な河川敷の風景を眺めながら、下丸子駅まで。かれこれ1時間あまりの、ちょうどよい散歩コースでした。

2018年1月



「東京千代田」(171222)

 特別な電子基準点「東京千代田」を、2018年3月26日観測開始セレモニー直前に訪ねてきました。通常より2m高い7mのタワーは、クリーム色がかった白色に塗装され、国会前庭という立地も相まって「端正」な趣です。 「なんで7m?」と思っていましたが、隣接する樹木の伐採を避けるため高くしたのかもしれません。 できたてホヤホヤだけに、附属標を磨いてみたらますますピカピカに。

  • 池の像は「憲政の神様・尾崎行雄」。
  • 時計塔は時間に正確だった尾崎を記念してのもの。
  • カツカレーが名物の「霞ガーデン」、昭和にタイムスリップ。

2018年3月



「町田」(93028)

 こちらもピラー(柱)が鋼管(パイプ)で番号の若い第一世代です。R16とR246の交差点の北側にある、町田市鶴間の町田市立南第一小学校の敷地内にあります。

 この学校は、明治5(1872)年の学制発布で開設された「開矇学舎」が発端で、昭和40年代にはベッドタウン化で1500人近い児童がいたことも。近隣のつくし野や鶴間の小学校はここから分離独立したものだそうです。ISAS(JAXA宇宙科学研究所)へ向かう途中に立ち寄りました。

2018年7月



「横浜泉」(970804)

 住宅街の公園だからなのか、主張を抑え風景に溶け込む茶塗装タイプが設置されていました。近づいてみるとかなり高い位置に「星哉♡咲月」と落書きが。星とか月とか、宇宙っぽいお名前のカップルですね。

 足元の金属標には「傷つけると法律違反ですよ」と表示はされていますが、ま、この程度なら大勢に影響はなさそうです。

2018年7月



「厚木」(93029)

 鋼管柱の第一世代でしかも茶塗装は、そんなに多くはないかもしれません。厚木市・荻野運動公園の駐車場の脇の、河岸段丘の縁に設置されています。好天に誘われ、駐車場には昭和の名車ファンが集っていました。”直6のハコスカ”のオーナーさんに「キレイですねぇ、懐かしいなぁ」と話しかけたら「1970年だから、僕よりだいぶ年上なんです」とニコニコ顔で答えてくれました。

2019年3月



「藤沢」(93034)

 最寄り駅は小田急江ノ島線・鵠沼海岸、市内で唯一の観客席付き球場「八部球場」のスコアボード裏の倉庫脇に設置されていました。

基準点番号から想像するに、以前は第一世代の鋼管型だったはずですが、現況は最新の八角柱タイプ。

 GoogleMapのストリートビューで見ると、たしかに薄茶けた直パイプ形状が確認でき(2017年10月)、公式の工事記録「点の記」にも「設置:1994年3月25日、更新:2017年12月18日」とありました。ちなみに「点の記」の閲覧には登録・用途申告が必要ですが、選択肢に「趣味」という項目はありません(笑)。

この設備は最初の設置から23年9か月後の更新でしたが、全国1300超の電子基準点を運用・維持・管理し必要があれば更新していくとなると、そのくらいのサイクルになるのでしょうか。

2018年7月



「二宮」(970804)

 土地勘がない割に地名に聞き覚えがあったのは、1964年に開通した太平洋横断海底ケーブル(電話128回線のTPC-1、産業記録映像)の陸揚局が置かれていた場所だからでした。

 相模湾を見下ろす高台の公園に設置されており眺望は最高です。地元の方によると近隣は「3割は空き家じゃないかな」というくらいの古い住宅地。眺めの良さは、日々の生活が不便になるのと引き換えなのかもしれません。丘を下る途中には「徳富蘇峰記念館」がありました。

 また第一世代の特徴ですが、足元の付属票は文字盤の天地が逆になっています。いつから変わったんでしょうかね。

2019年3月




「山梨一宮」(960606)

ワイナリー探訪の小旅行の途中に立ち寄りました。桃園、ぶどう園、名物ほうとう、桔梗信玄餅やWESTなど有名菓子工場もすぐそばにある、笛吹市「いちのみや桃の里スポーツ公園」に。点名は旧町名から。甲府盆地をほぼ見通せそうな立地の携帯基地局がすぐ後ろにありました。

 

2018年12月



「勝浦」(93041)

 近づいていくとき支柱の質感がコンクリート柱のように見えたので「えっ、レアものに遭遇!?」と色めきたったのですが、よくみたらやっぱり鋼管ピラーの5桁番号第一世代。表面の風合いがかなり年月を感じさせるものになっていました。設置場所は小学校跡地。廃校となって久しいようで校舎もすでに見当たらず、グラウンドの整地ローラーと近くの交差点名が残るのみでした。

2019年3月



「P勝浦」(02P107)

御宿海岸での洋上ロケット打上げ実験乗船取材に向かう途中、訪点し、コラム:なかなかすごい「P」に詳しく書きました。

興津魚港の防波堤に設置されており、地元の袖ヶ浦だけでなく大宮ナンバーなど近県からの釣り人も集う場所でした。前出「勝浦」とは直線距離にして4kmちょっとでした。地図で見ると「P点のすぐそばにもある」は全国的な傾向です。

2019年3月