小学校の校庭に

 遠い昔、知らずに出会っていたハクと千尋ではありませんが、生まれ育った村の小学校に電子基準点があると知り、深く興味を持つようになりました。今では古い知り合いか何かのように感じています。


 現在のGEONETの前身にあたるネットワークの運用開始は1993〜94年なので、もちろん私が小学生だった頃にそれは存在していません。が、私が見ていたのと同じ景色の中に彼が在り続けていることに嬉しさを覚えます。帰省のたび恩人の墓参でもするように、小学校のそばの電子基準点「鳥越」を訪ね、「いつもふるさとを見守ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えています。少しウソです。


電子基準点「鳥越」(960578)

公式な工事記録でもある「点の記」には、

 

 設 置:平成8(1996)年11月24日

 所在地:白山市立鳥越小学校

 管理者:白山市教育委員会

 自動車到達地点:体育館南側駐車場

 周囲の状況:畑、水田、公園

 

といった概況とともに、電力・通信線の引き込み状況が分かる図面も載っています。ちなみに白山市は平成の大合併で誕生したので、平成8年にはまだ存在していないはず?と思ったら「備考:令和元年8月8日更新」とありました。情報は定期的に更新されているわけです。

 

  白山市は2005(平成17)年、1市1町5村の合併で誕生した自治体で、市域は日本海の海岸線から岐阜・福井の県境に至る面積754.9 km²と県内最大です。その中で電子基準点は「白峰」「松任」「鳥越」と1市2村の旧名で3点が置かれています。


 平成の大合併で全国の市町村数は約3300から1700あまりに減りました。電子基準点は合併後の自治体にはほぼほぼ存在し、それ以前の自治体だとあったりなかったりするくらいの密度感(まばらさ)、ではないかと思います。あなたの故郷ではいかがでしょう?